韓国で初めてLNG燃料推進タグボート「ぺクリョン号」が建造に入りました。
仁川港湾公社は、23日に仁川市東区にあるDH造船所で「第2四半期老朽タグボートのLNG切替事業における審議委員会」と船舶起工式を行いました。
今回の行事にはタグボート運航船社である韓国ガス海運、建造会社であるDH造船所など関係者が出席しました。
起工式は、船首から船尾までの底を支える中心骨組みであるキールを乗せる過程で、すでに作ってある船体のブロックをドックに載せる工程を行い、本格的な船舶建造がスタートしたことを知らせることです。
タグボートは大型船舶が港湾に入出港する際に大型船舶をけん引したり押したりしてふ頭に接岸・離岸させる船舶です。
仁川港は韓国・海洋水産部の老朽タグボートのLNG切替事業のモデル港湾に指定され、韓国では初めてLNGタグボートを建造しています。
韓国・海洋水産部が進めている「老朽タグボートのLNG燃料推進切替事業」の事業管理の委託を受けている仁川港湾公社は、昨年9月に韓国ガス海運を事業者に選定し、事業を進めています。
韓国ガス海運は、今年の3月に仁川のDH造船と建造契約を締結しました。
来年の上半期に船舶の引き渡しが終了し、来年6月から仁川港で初の商業運航を開始する予定です。
韓国で初めて建造されるLNG燃料推進タグボートである「ぺクリョン号」は、5000馬力級で、長さ37m、幅10m、最大時速25.9㎞の規模です。
関連業界関係者の説明によると、建造費用は91億ウォンで、通常の同級ディーゼル燃料推進タグボートより60%以上高いそうです。
そのため、韓国・海洋水産部は環境に優しい船舶の普及のため、今回の事業費の約20%に当たる17億ウォンの国家補助金(海洋部14億ウォン、仁川港湾公社3億ウォン)を支援します。
「ぺクリョン号」の建造には韓国の船舶設計会社であるKMSが参加しています。
また、これまで多くのタグボートに使用されていた日本製のエンジンの代わりに現代重工業の「ヒムセン(力強い)エンジン」が採用されることになりました。
さらに、韓国の中堅企業である(株)トンファエンテックのLNG燃料供給装置が選定されるなど、部品の国産化にも大きく寄与すると期待されています。
現在、世界で運航されているLNG燃料推進タグボートは、まだ10隻に過ぎません。
今回のLNG燃料推進タグボート「ぺクリョン号」の建造に成功する場合、世界の環境に優しい小型船舶市場に韓国が参入する出発点になると期待されています。
出所:『エネルギー新聞』(2020.06.23)_http://www.energy-news.co.kr/news/articleView.html?idxno=71145